Smart City Expo World Congress視察レポ!inバルセロナ
こんにちは!note編集部の大林です。
先日開催された「Smart City Expo World Congress」に当社のスマートシティ担当の戸谷さんが参加しました。
今回は戸谷さんに日本の出展の様子や世界のスマートシティ動向やバルセロナ市におけるスマートシティの取り組みについて視察レポートを作成いただきましたので、紹介いたします!
Smart City Expo World Congressとは
Smart City Expo World Congress は、世界の都市や企業、団体が都市におけるより良い未来を創発するために、社会イノベーションを促進すること、また、社会課題に対するソリューションを提供することを目的に、2011年からバルセロナで開催されているイベントです。新型コロナウイルス感染症の影響で、ここ2年間は縮小開催となっていましたが、今年はようやくリアル開催されました!
国や企業ごとに展示ブースを出展し、スマートシティに対する取り組みの紹介や、セッションによる紹介が行われるなか、革新的な都市戦略プロジェクト・アイデアに対して、表彰式が行われました。
主催者の公表によると、参加した国は134カ国、出展社数は853社、来場者数は20,402名、オンライン参加者21,000名以上と、全世界が注目した大イベントとなりました。
【JAPAN】パビリオンの出展
今年のSmart City Expo World Congressでは、一般社団法人スマートシティ・インスティチュートがデジタル庁の後援のもと「オープンイノベーションによる地域のWell-Beingの推進」をメインテーマにJAPANパビリオンを出展しました。東京都、京都府・JETRO京都、横浜市やスマートシティに関わる各企業がブースをだし、日本各地におけるスマートシティの取り組みを紹介しています。
また、東京都の宮坂副知事はCongress会場にて【SusHi Tech Tokyo】と題し、”次世代につなげる都市像”として"Sustainable High City Tech Tokyo =SusHi Tech Tokyo”を東京から世界に向けて発信し、最先端テクノロジーや、多彩なアイデアを紹介していました。
さらに、一般社団法人スマートシティ・インスティチュートの南雲理事はLWBC(Liveable Well-Being CIty 指標)の海外に向けての発信として、Nordicパビリオンで開催されたセッションに参加されていました。
世界のスマートシティ動向
今年のSmart City Expo World CongressのテーマはCities Inspired by People。人中心に持続可能なスマートシティの実現を担うことがテーマとなり、エネルギーと環境、モビリティ、ガバナンス、エコノミー、安全とセキュリティ、経済など、さまざまな分野から発信されています。
国や都市でみると、地元であるバルセロナ市、カタルーニャ州、北欧諸国(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ラトビア)、ドイツ、フランス、ベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)、イスラエル、アメリカなど各国からブースが出展されているほか、FIWAREやDeloiteといった企業からも出展されていました。
とても大きなブースを出展していた国・都市は、Smart City Award を受賞したDisital Seoul を含む韓国や、ドイツ投資庁とともにバイエルン州をはじめとする州単位のブースがまとまっていたドイツ、カタルーニャ州やバルセロナ市などでした。
国によっての土地的な制約や、法制度の問題、行政間における調整や地元住民との合意形成など課題を抱えながらも、スマートシティを進めていく際の新たなイノベーションを情熱的にアピールしている場であり、とても活気のある雰囲気でした。日本も他国同様、地域性や国民性を踏まえた上で、各都市における取り組みをアピールしている姿が印象的でした。
バルセロナ市におけるスマートシティの取り組み
バルセロナ市では、スマートシティにおける取り組みとして、市民を中心とした街づくりを推進するための「スーパーブロック・プロジェクト」に取り組んでいます。
この取り組みは、都市の中にある自動車空間を少しだけ変化させることで、市民に明け渡していくといったものです。
日本では、ウォーカブル推進都市やほこみち制度などにおいて、道路空間における新しい使い道ができないかといった流れが推進されていますが、バルセロナの場合は街全体でやってしまった!という印象です。
今回は、バルセロナ市内で6カ所できている「スーパーブロック・プロジェクト」の中のひとつ、バルセロナ市の東部に位置する「ボブレノウ地区」を視察してきました。
この地区では、自動車の流入を抑制することで、歩行者と自転車が中心となる街ができあがっています。もともと道路空間であったところは「バルセロナの花」がペイントされた巨大な植木鉢や花壇がつくられ、自動車は侵入できなくなっており、かわりに憩いの空間やカフェスペースが立ち並んでいます。ちょっとした空間に憩いやコミュニティができ上っている、そんな印象です。
おまけ(空き時間に観光した写真をおすそ分け)
スペインは情熱の国、観光業も新型コロナウイルス流行前の状況に戻っており、とても活気のよい街でした。ということで今回の視察研修レポを締めくくります!