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AI交通量調査TRAVIC開発者に聞く!「調査の自動化って難しい?」

こんにちは!note編集部の大林です。
ICT技術の急速な進化に伴い、これまで人手に依存していた技術や作業の自動化が進んでいます。その一つに、自動車やヒトなどの交通量や交通流の調査があり、今回は当社が研究・開発を行っている「AI交通量調査TRAVIC」について、担当者にインタビューを行いました。

開発担当者

交通量調査の自動化トレンドと社会背景

大林:TRAVICのお話をお伺いする前に交通量調査の現状・社会環境や最近のトレンドについて教えてください。

藤間:交通量調査を取り巻く環境は、労働人口の減少や人手不足によって人員の確保が難しく、さらにそれにかかる膨大な人件費などの課題があります。そういった中で、自動化を進めていかなければならないという流れがあり、国土交通省は、令和3年度の道路交通量調査から人手による計測を完全にやめて、路上のカメラ映像を人工知能(AI)で解析するなど、情報通信技術(ICT)を活用する手法に切り替えました。調査のコストを削減するとともに、目視では精度にばらつきが出るデータを効率的に収集することを目的として、4年後に予定される次回調査では自治体が担当する都道府県道などでも人手廃止が目指されています。

TRAVICの開発経緯

大林:AIを活用した交通量調査サービスは複数ある中でTRAVIC開発に至った経緯について教えてください。

堀井:こういったトレンドの中で、市場にはAIを活用した交通量計測や分析をするソフトウェア、またサービスが多数リリースされていますが、その多くは高い位置から撮影し、交通量として、大型車、小型車の2分類で交通量観測を行うシステムとなっています。
高所から撮影するための専用機材の確保、設置できる場所の制限などから、調査が難しい箇所もあり、もっと手軽に調査ができて、道路交通センサス※の自動車類4分類(大型トラック、バス、乗用車、小型貨物)に対応できるシステムを目指して研究・開発を行いました。
製品コンセプトとして、精度よく4分類を計測できるだけでなく、市販のハンディカメラを用いて手軽に簡単に調査が自動化できる点を最も重視して研究・開発を行っています。

※道路交通センサス:全国道路・街路交通情勢調査とは
 道路交通センサスは国土交通省が主体となって定期的に実施している、道路交通に関する全国規模の調査である全国道路・街路交通情勢調査の通称。

TRAVICの機能・特徴

大林:TRAVICの機能や特徴について教えてください。

藤間:さきほど、堀井から説明があった通り、TRAVICでは精度よく自動車類4分類を計測できるだけでなく、簡単に調査が自動化できる点が特徴です。低い画角から撮影しているメリットを活用して、自動車のナンバープレート情報を読み取る機能も用意しており、ただ車両の台数を計測するだけではなく、様々な調査にご活用いただくことができます。

TRAVIC製品の現場活用

大林:TRAVICの活用事例や実際にTRAVICを用いた調査について教えてください。

藤間:TRAVICは、既に交通量調査の現場でご活用いただいており、令和三年度の道路交通センサス調査などでご活用いただきました。お客様からは、高い精度で計測・車種判別ができていると好評です。調査の方法もとても簡単で、計測したい道路の路側部(歩道など)に高さ60センチメートルの位置に市販ハンディカメラを設置し、道路に対して約30度の角度でセットするだけです。簡単に調査ができるよう撮影マニュアルや誰でもセットできる推奨画角をご用意していますので、調査初心者の方でも簡単にご使用いただけます。

現在開発中のTRAVIC Portableのご紹介

大林:現在、新たなAI交通調査ソリューションの研究・開発を行っているそうですが、どういった内容か教えてください。

堀井:現在、androidスマートフォンで動作するAI交通調査アプリの研究・開発を行っています。クラウドサービスやPCソフトウェアを利用する場合は、ハンディカメラなどで撮影したデータをアップロードしたり、PCに読み込んで解析をする必要がありました。現在開発中のスマートフォンアプリでは、スマートフォン単体でリアルタイムに交通量観測を行うことができます。TRAVICの簡単に調査できるコンセプトはそのままに、調査地点でリアルタイムに調査から分析まで完結させることができます。

藤間:開発中のスマートフォンアプリは、2022年末のリリースに向けて開発を行っています。新しいスマートフォンを活用したソリューションで様々なお客様の課題やご要望にお応えできるものと考えています。開発が完了した際に再度こちらでご紹介させていただければと思います。

さいごに

大林:今後AIを活用することで、どういった自動化や省力化が進んでいくと考えているか教えてください。

堀井:TRAVICは主に現在の調査を支援するツールとしてご活用いただいておりますが、将来的には完全無人・自動化された調査や、データ収集・分析のソリューションに活用できると考えています。交差点部のAI解析の研究も進めており、新たな市場への可能性も模索していきたいです。

藤間:人口減少など様々な社会課題がある中で、お客様のニーズやご要望のさらに深い部分までお手伝いできるソリューションとして今後も活用していく計画です。自動化や省力化のトレンドは今後も大きくなっていくと考えています。