高速道路へのアクセス性を向上~物流の2024年問題解決も視野に入れたコンサルティングサービス~
こんにちは!note編集部の箕輪です!
トラックドライバーの働き方改革に伴う「物流の2024年問題」をご存知でしょうか?
当社は社会インフラである輸送を維持するために、生産性向上に資するスマートインターチェンジ(以下、スマートIC)を広く展開していくためのコンサルティングサービスを行っています。
今回はこのサービスを行っている担当者にインタビューを行いました!
担当者
高速道路の「地元メリットの少なさ」に着目した物流改革
箕輪:日本の高速道路が抱えている課題はどんなものなのでしょうか?
乾:国内の高速道路におけるインターチェンジが設置されている間隔は諸外国よりも長いため、地域に高速道路が存在しても通過されるだけで、地元にメリットがなく、高速道路が有効に活用されていないといった場面が多いことが課題となっています。その中で、少しでも建設費用を縮小すべく、既存のサービスエリアやパーキングエリアに一般道から接続させるETC専用のスマートICの整備が進められてきました。
箕輪:スマートIC、見かけたことあります!開通済みのスマートICは、全国で約150カ所あると伺いました。
乾:そうですね、かなり増えてきましたよね。この整備はそのICがほしい自治体主導の取り組みとなるなか、実は、民間企業の発意でもスマートICが設置できる制度ができました。例えば、大きな倉庫を抱える企業が、高速道路沿いに土地を持っていれば、その倉庫から直接、高速道路を利用できるようになるのです。高速道路をさらに有効に活用でき、かつコロナ禍で一層注目を浴びることとなった「物流」の効率化に資するなど、多様な効果が得られることが見込まれています。
これら効果に加え、例えば観光施設に「人流」を呼び込むことも期待でき、当社が持つ交通分析、道路設計のノウハウ・サービスを発揮できるのではないかと考えています。さらには、一極集中の是正や地方創生・地域活性化などの課題解決に寄与できるのではないかと思ったのがきっかけです。
スマートICとは?
スマートICによる物流改革の3ステップ
乾:繰り返しになりますが、たくさんトラックが出入りする施設や倉庫を、高速道路沿いに持っていて、その土地にICができればなぁと思ったことはありませんか。実は平成29年度にそういった民間企業が所有している土地に直接出入りできるスマートICを設置できる制度が設けられたのです。
箕輪:知りませんでした。詳しく教えてください!
乾:これまでは、官公庁など自治体しか設置することができなかったスマートICを、なんと民間事業者でも設置可能になったのです。高速道路と隣接する民間施設に直結するICを設けることで、高速道路を活用した事業活動を支援し、経済の活性化を図ることが可能です!ただし、その工事などは、民間企業の負担にはなります。
箕輪:その費用負担や維持管理などはどのように行われるのでしょうか?
乾:民間企業がアクセス道路やランプの直結路部分について、工事や設計、調査費用の負担が必要(一部除外あり)となりますが、維持管理については、地元の地方公共団体に直結路が無償譲渡となり、地方公共団体が行います。
箕輪:実際、開通までの流れはどんな感じなのでしょうか?
乾:開通までの流れは以下のようになります。大きくは3つのステップに分かれますね。
全国初のスマートICが開通
箕輪:当社ではどのような実績があるのでしょうか?
乾:2020年3月29日に開通した兵庫県淡路市の淡路北スマートインターチェンジの事例を紹介します。これは全国で2例目(開通は全国初)となる民間施設に直接乗り入れできるスマートICとなり、当社で計画、設計を行いました。
箕輪:全国で2例目!開通は全国初とはすごいですね!
乾:本事例での民間施設は、淡路ハイウェイオアシスとなります。そこに接続する入り口のみを想定した民間施設直結型のスマートICについて、工事を円滑に進めるために必要な関係機関との調整を行う協議用資料の作成や設計を行いました。また、スマートIC周辺に歩行者交通が見込まれることから、警察協議用資料として、横断防止柵などの安全対策に係る内容の資料や、スマートIC料金所までの案内標識のレイアウトおよび配置検討に係る内容の資料も作成しました。さらに、スマートICの開通にあたり、スマートICの正しい利用方法や開通日時、利用が制限される車種などを周知するため、ポスターおよびリーフレットの作成を行いました。
箕輪:一人でも多くの方に使っていただきたいですね!
今後の展開
箕輪:乾さんが考えておられる今後の展開を教えていただけますか?
乾:現在ある最寄りのICまで一般道を通行することなく、すぐに高速道路に乗り入れることが可能で、コロナ禍でより一層着目された「物流」をより持続可能にし、生産性向上に資するスマートICが広く展開されるためのお手伝いをできればと考えています。ひいては、地域住民も利用できるICになり、利便性向上につながるので「地域に根差した」企業という、イメージ向上にもなります。
これらの制度を活用し、「高速道路とつながる」「地域住民とつながる」をコンセプトに、国内の物流が少しずつでも変容していくことを望んでいます。
箕輪:乾さん、ありがとうございました!この取組みが3月1日発行の「事業構想」4月号に掲載されていますので、ぜひご覧ください!※要会員登録