見出し画像

これぞ建設コンサルとしての「総合力」!~南阿蘇鉄道復旧プロジェクト~

こんにちは!note編集部の小林です。
前編に引き続き、「南阿蘇鉄道全線復旧事業推進プロジェクト」についてご紹介させていただきたいと思います。
この後編では、熊本地震で運休になってしまった南阿蘇鉄道を復旧させるために奔走する現場の方々の姿をお伝えします!

★前編はこちら



未曽有の大地震

2016年4月14日、最大震度7を観測する熊本地震の前震が発生しました。2日後の4月16日未明にも再び最大震度7の本震が発生。熊本県内で観測された揺れの大きさは最大で計測震度6.7にも及び、地震の規模としては国内観測史上最大となる未曽有の大地震でした。 この地震により、南阿蘇鉄道は2つのトンネル、2つの橋梁を含めた路線の多くが被災し、法面変状や落石、 地盤変状、軌道の変状、路盤の陥没などの被害が発生しました。

工事中の第一白川橋梁と 津留専務理事
立森駅前にて津留専務理事と高山さん

同じ釜の飯を食う仲間として

「2016年4月に発生した熊本地震により被災した南阿蘇鉄道は、第一白川橋梁や戸下トンネルを含む多くの鉄道施設が甚大な被害を受け、立野駅~ 中松駅間の10.6kmが運休とされていました。本プロジェクトは、南阿蘇鉄道の全線復旧事業として2017年12月に着手し2023年3月まで行ったもので、事前の鉄道施設災害復旧調査(鉄道総合技術研究所)段階から地質調査を実施していたことを含めると、6年以上にわたり多くのメンバーが震災復旧事業に従事してきました。」
                                                                                          九州支店 高山さん


「八千代エンジニヤリングから高山さんが現場に常駐していただくようになって、「同じ釜の飯を食う仲間」のように接することができましたし、そのような思いで接していただいたと思います。 工事もスムーズに進み、業務の成果としては「さすがだな」と思います。そしていろいろなやり取りがあったからこそ、 完璧な橋梁が完成したのだと思います。血と汗の結晶というと大げさに聞こえるかもしれませんが、第一白川橋梁の前 に立つと毎回、一緒に汗をかいてもらった工事関係者の顔が本当に目に浮かびます。」

                                        一般社団法人南阿蘇鉄道管理機構 津留専務理事

国内事業部 小原さん

復旧工事のマネジメント

「南阿蘇鉄道の復旧にあたっては、まず国直轄による復旧のための調査が決定され、当社は鉄道総合技術研究所さまからの発注により、鉄道施設災害復旧調査を実施しました。その後、南阿蘇鉄道全線復旧に向けたマネジメント業務を南阿蘇鉄道さまから請けることができました。マネジメント業務では、損傷により運休していた立野駅から中松駅までの区間を復旧させるための復旧事業マネジメント業務、また橋梁の架け替えを含めた設計業務を行いました。 復旧事業マネジメント業務では、各工事の工程調整や対外協議調整、発注者への報告と承認などを行うとともに、一級河川である白川に架かる第一白川橋梁の下部詳細設計を担当しました。南阿蘇鉄道さまをはじめ関係者の皆さまにご協力いただきましたことを心より感謝しております。」

                                                                                    国内事業部 小原さん


復旧を次世代につなぐ活動をする津留専務理事

後世に遺す

「7月15日にお客さまにご乗車いただいて全線運行を開始した時には、緊張感と 感無量の思いが同時に押し寄せてきました。7年前の壊滅的な震災直後の光景 からよくここまでこられたなと思います。先人たちが造った鉄道、そしてそれを 復旧して後世に遺すこと、その復旧の意義を次の世代にも伝える活動を今後続けていきたいと思います。 地元や全国各地の多大な支援により、復旧を叶えることができました。心から 感謝申しあげるとともに、魅力ある地域の鉄道であることを使命として、これからもいろいろと取り組みながら発展していきたいと思います。」
 
                                          一般社団法人南阿蘇鉄道管理機構 津留専務理事


編集部コメント

2023年7月15日、立野駅に向かう高森駅始発列車がお客さまを乗せて発車しました。全線開通を記念したセレモニーには、斉藤国土交通大臣や蒲島熊本県知事をはじめ、当社からは眞間九州支店長が参列、岸田内閣総理大臣からはビデオメッセージが寄せられました。

南阿蘇鉄道さまからは「事業中は受発注間でさまざまな意見を突き合わせながら、思い通り進まなかったこともあったが、ドラマがあったからこそ復旧を成し遂げられたと感じている。八千代エンジニヤリングさんに事業を行っていただき良かった」と嬉しいお言葉をいただいたんだそうです。

同プロジェクトは、多岐にわたる分野での迅速な対応が求められ、まさに、当社の建設コンサルタントとして総合力が発揮できたプロジェクトだったのではないでしょうか。