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最新動向を把握!TNFD v1.0の全体像や分析・開示手法を解説~オンラインセミナー報告~

こんにちは!note編集部の鈴木です。
近年、国際的なイニシアチブにおいて、自然関連のテーマが取り上げられています。その一環として、今年の9月18日にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)からTNFDフレームワークv1.0が公開されました。

今回は、11月15日に開催したオンラインセミナー「最新動向を把握!TNFDv1.0の全体像や分析・開示手法を解説」の様子をダイジェストでお伝えし、企業がTNFDに取り組むべき背景やv1.0に沿ったフレームワークの概要や分析・開示手法についてご紹介します。

こんな認識をお持ちの方におすすめです!

  • 「最新のTNFDガイドラインに則って自然資本に関する分析や開示に対応したい」

  • 「自然資本分野の取り組みでリーダーシップを目指したい」

  • 「TNFD の最新動向を把握したい」

当社は、環境学や工学、社会学をバックグラウンドにもつ技術コンサルタントが集まった、建設コンサルタントと呼ばれる業種の会社で、これまで官公庁やJICAなどに対して、60年以上支援を行ってきました。

近年は、これらの支援を通じて培ったノウハウや知見を活かして、民間企業のコンサルティングサービスも提供しています。


TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)とは?

TNFDの目的と使命、設立の経緯

TNFDは、「世界の金融の流れを自然に対する影響をマイナスからプラスにシフトさせること」を目的に設立された国際的な枠組み(以下、イニシアチブ)です。

「市場を牽引し、サイエンスに基づく、各国政府、企業、金融機関による世界規模で支援を受けたイニシアチブ」と公式ページでは謡っています。

また、TNFDはこの目的を達成するために、常に変化する自然関連リスクを組織(企業や金融機関など)が報告し行動を起こさせ、そのためのリスク管理と情報開示に関するフレームワークを開発し、提供することを使命としています。

元々は2019年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にて着想され、2020年7月に同イニシアチブがまとめられた後、約1年間の準備期間を経て2021年6月に設立されました。

TNFDは、「気候関連の財務情報の開示に関するタスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures: TCFD)」の自然・生物多様性版の位置づけです。


なぜ今、自然資本が重要なのか?

では、なぜ今、TNFDのようにグローバルで自然関連のテーマが優先事項となってきているのでしょうか?

TNFDが設立された背景には、企業の事業活動を含む人間活動によって、生物の絶滅速度や森林面積の減少など、人類の歴史上、最も早いペースで自然が急激に劣化しているという現実があります。

自然に対して影響を及ぼし、それによって自然状態が変化し、生態系サービスの質や量が変化してしまうと、事業活動が悪影響を受けるリスクも発生するということで、企業は自然と依存・影響関係にあります。

企業の事業活動だけではなく、私たちの社会や金融(finance)も自然資本やそれが生み出す生態系サービスに依存しています。

だからこそ、TNFDでは、自然や事業に対する影響を低減するためにも、企業に対してTNFD提言に沿った自然との依存・影響関係の特定、リスクマネジメントと開示を求めています。

つまり、ネイチャーポジティブの達成には、大企業や中小企業、あらゆる種類の金融機関が、サプライチェーン全体の自然関連の依存・影響関係、リスク・機会を特定、評価、管理、開示して初めて可能となる、というのがTNFDの思いです。

<参照ページ>
・The Taskforce on Nature-related Financial Disclosures (TNFD), “About us,”29.Nov.2023. https://tnfd.global/about/
・環境省(2021). ”自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへの参画について”. https://www.env.go.jp/press/110354.html, (参照 2023-11-29)

セミナーの概要~TNFDフレームワークv1.0の概要~

ここからは2023年9月18日にTNFDから公表されたTNFDフレームワークv1.0について解説します。

記事の内容は、「TNFDフレームワークv1.0」をもとに、当社の認識の範囲で整理したものです。


一般要件と開示提言、開示指標

一般要件の項目とその内容の概要の表

一般要件は、TNFD提言で企業が開示を推奨されている4つの柱を横断する要件で計6つ設定されています。

広範囲にわたり複雑である自然関連課題に関連した情報を開示するにあたり、企業は、開示情報に一貫性を持たせるため、これらの一般要件を適用することが期待されています。

4つの柱に紐づく具体的な開示推奨項目(計14項目)

また、この一般要件が適用される開示提言は、大きく4つの柱と、それに紐づく14の具体的な項目から構成されます。

4つの柱と計11の具体的な開示項目は、気候関連のTCFDの開示項目をそのまま継承していますが、自然関連の評価だからこそ重要な観点が3つ追加されているのがTNFDのポイントです。

開示指標の全体像。なお、SCIENCE BASED TARGETS NETWORK GLOBAL COMMONS ALLIANCE,SCIENCE-BASED TARGETS for NATURE Initial Guidance for Business,2020をもとに当社が一部加工

さらに、TNFDですべてのセクターに対して開示が必要とされる指標はコアグローバル指標と呼ばれ、「自然への依存と影響」に関する9つの指標と「組織にとっての自然関連のリスクと機会」に関する5つの指標から構成されています。

TNFDに沿った開示をサポートするLEAPアプローチの概要

今回は、企業がTNFDを開示するために求められる主な内容についてご紹介しましたが、それぞれがどのようなアウトプットとなるのかや、具体的にどのようなツールを使って何をしたらよいのか分からないと思われる方も多いと思います。

そこで、TNFDに沿った評価・開示を実践する際に活用できるアプローチとして、TNFDで推奨しているのがLEAPアプローチです。

LEAPアプローチの全体像。なお、SCIENCE BASED TARGETS NETWORK GLOBAL COMMONS ALLIANCE,SCIENCE-BASED TARGETS for NATURE Initial Guidance for Business,2020をもとに当社が一部加工

これは、自然関連問題の評価と管理のための統合アプローチで、 Locate、Evaluate、Assess、Prepareの4つのフェーズから構成されます。
LocateからPrepareまでが順番になっているものではないため、状況に応じて柔軟に活用することが推奨されています。

Locateを一言でいうと、直接操業、バリューチェーンなどの活動地域において、生物多様性などの観点から脆弱な地域を抽出するフェーズです。

Evaluateには、「事業活動と自然との依存・影響関係を特定するフェーズ」と、「脆弱性が高い地域において依存度や影響度の大きい項目を絞り込むフェーズ」があると捉えることができます。

Assessのフェーズでは、リスクと機会を抽出し、既存のリスクなどへの管理状況を加味して優先順位付けを行い、開示すべき重要なリスクと機会を抽出します。

Prepareは、開示に向けた最終的な準備を行うフェーズです。
具体的には、検討結果を企業幹部に報告するとともに、リスクや機会に対する戦略の検討、それらを管理していくための指標・目標を設定していきます。

※TNFDでは段階的に検討・開示の範囲や精度を高めていくことが想定されており、そのための作業仮説や段階的な目標、リソースを調整するスコーピングの検討が必要となります。

セミナーの様子

本セミナーには事前に170名の申し込みがあり、参加社数は前回を超える125社になりました。

また、普段から社内でサステナビリティに関する業務に従事されている方々の参加比率も高かったことも今回のセミナーの特徴の一つでした。

そして、本セミナー後のお問い合わせ数も、サステナビリティNaviのオンラインセミナーでは過去最多となり、多くの企業さまにおいて、TNFDや水に関する課題感は明確になってきていると感じます。

以下、一部抜粋とはなりますが、今回のセミナー参加者の感想となります。

セミナー参加者の感想(一部抜粋)

  • 「具体的で大変わかりやすい内容でした。ありがとうございました」

  • 「LEAPアプローチの具体的な方法がわかりやすく解説されていました」

  • 「更新内容が整理されていて、ツール紹介もあり、前進できる気がします」

サステナビリティNaviはエコプロに出展しています!

最後にお知らせです。

当社コンサルティングサービス「サステナビリティNavi」は、東京ビッグサイトにて現在開催中のエコプロに出展しています。

残り2日間となりますがご参加される方は、ぜひお気軽に当ブースにもお立ち寄りください。
どうぞよろしくお願いします。

<概要>
日時:12月6日(水)~8日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト(東ホール)
主催:(一社)サステナブル経営推進機構、日本経済新聞社

詳細は以下をご覧ください。


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